美しすぎた幻の花莚

「花ござ」あるいは「花むしろ」。イグサを染色して、さまざまな模様に織り上げた美しい敷物です。 「花ござ」や「花むしろ」を花莚(かえん)と言いますが、花莚のはじまりは明治初期、 岡山の磯崎眠亀という人の考案した「錦莞莚(きんかんえん)」という緻密で美しい最高の手ざわりによる敷物でした。 眠亀は生家が織物商だった事から、1871年のウィーン万博に出展されたセイロン(今のスリランカ)の 「竜鬢莚(りゅうびんえん)」という織敷物を見て、この「錦莞莚」をあみ出したいわれています。 しかし、高価すぎて日本では売れず、当時はもっぱらイギリス向けだったとか。 しかしあまりにも緻密で優美なので、とてもござとは思えない織物です。残念な事に昭和初期にはすっかりすたれ、 今は幻の芸術品となりました。


畳はベッドだった!?

奈良の正倉院には、「御床(おんしょう)」と言う聖武天皇(701〜756年)の使った畳を敷くベッドが残されているほどで、 畳をはじめ今のように敷物ではなく高貴な身分の人の寝具、しかもベッドのような使われ方をしていたのです。 「御床」も237cmX119cm、高さが38.5cmの木製の台の上に何枚もムシロを重ね、さらに薄い畳が敷いてありました。 京都御所の清涼殿には、平安時代の面影が残っていますが、天皇の寝間にあたる部屋には「御帳台(みちょうだい)」 と呼ばれる台があり、ここに厚畳が置かれ天皇のベッドにも使われていたといいます。

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